前回の記事では、「SNS投稿の正解が見えないときに起こりやすい失敗パターン」についてお話ししました。
今回はその続編として、投稿で見直したい3つの視点についてご紹介します。
わたしも会社のSNSを担当してきて、「正解が見えない」と思うことが何度もありました。
投稿して反応が薄いと、「これで合っているのかな?」と不安になったり。
そんな状態では、心のこもった文章も書けないし、誰かに届いているという実感もない。
そこで気づいたことがありました。
それは、文章を書くときの土台となる視点を整理することの大切さです。
この3つを明確にすることで、投稿への迷いが減り、「誰に何を書くのか」という方向性も見えてきました。
誰に届けたいかを決める
SNSに限らず、「届けたい相手」がはっきりしていないと、どんなにがんばって投稿しても反応が安定しません。
たとえば、若い世代に向けているのか、家族層なのか、法人なのか。
相手が違えば、投稿内容、写真の選び方、言葉のトーンも変わります。
ある会社のInstagramでは
「全国のたくさんの人に見てもらいたい」
「バズを狙いたい」
という思いで投稿していました。
まず対象が広すぎると、統一感がなくなりアカウント全体が散らばった印象になります。
バズを狙うのは悪いことではありませんが、一時的に数字が増えてもファンになってくれる人や継続的に見てくれる人は少ないのが実情です。
それよりも、会社や商品に興味を持ってくれる人に向けて、ていねいに投稿を重ねることが大切です。
「読んでほしい人」を具体的にイメージすると、文章や写真、全体のトーンにも統一感が出てきます。
結果としてフォロワーや表示回数がじわじわ増えていき、問い合わせやコメントといった次の行動にもつながります。
相手の“困りごと”に寄り添う
商品の宣伝やサービス紹介だけでは、なかなか読んでもらえません。
「お客さんは何に困っているのか?」を考えると、投稿の切り口が明らかに変わります。
たとえば飲食店なら
といったニーズが考えられます。
こうした困りごとに応える投稿をすれば、読み手が「自分のための情報だ」と感じてもらいやすくなります。
わたしも実務で「商品の強みや特徴」を前面に出していたころは反応が薄かったんです。
ところが、「お客様の不安や疑問」を先読みして発信内容を変えてみたら、コメントが入るなど反応が増えた経験があります。
信頼を積み重ねる小さな工夫
商品やサービスそのものだけでなく、「誰が」「どんな思いで」提供しているかを知ると、人は安心します。その安心感が「頼んでみよう」「買ってみよう」につながっていきます。
具体的には、
こうした小さな積み重ねが、SNS上の信頼を育てます。
実際に、商品紹介ばかりしていたアカウントで、社内の何気ない風景を投稿したら「表示回数」や「いいね」の数が増えるなど、予想以上の反応がありました。
また、製造の様子を動画で見せたところ「再生回数」がぐんと上がったこともあります。
社内では当たり前のことでも、外から見ると新鮮で面白いものなのです。
まとめ
SNSの投稿で反応を感じにくいときは、テクニックよりもまず「土台」を整えることが大切です。
この3つがはっきりすると、写真や文章のトーン、選ぶ言葉まで自然と変わっていきます。
今日の一歩として、会社のホームページやパンフレットを見返してみてください。
SNSでの発信は、これらと同じ方向を向いていましたか?
ここから投稿の軸が見えてきます。あせらず少しずつ整えていきましょう。
今回ご紹介した3つの視点のうち、次の記事では「誰に届けたいのか?」について、もう少し具体的に書いていきます。
→ 届けたい相手が見えると、発信はぶれなくなる